ガイドナンバーについて(SUNPAK PZ42Xの場合)
備忘録とメモ。
ガイドナンバーとは?
ガイドナンバーは、フラッシュ撮影時に使用する機材の発光量を表したもの。
ISO100の時、1m先の被写体を撮影する場合の絞り値を導き出すための基準値だ。
ガイドナンバーが分かると、発光距離や絞り値を導き出す事が出来るようになる。
- ガイドナンバー(GN)=距離(m)×絞り値(F値)
- フラッシュの発光距離(m)=GN÷絞り値
- 絞り値=GN÷被写体までの距離(m)
SUNPAK PZ42Xのガイドナンバー表は、以下の通りとなっている。
ズーム位置(mm) | 35mm換算 | 24 | 28 | 35 | 50 | 70 | 85 | 105 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
APS-C換算 | 16 | 19 | 24 | 34 | 48 | 58 | 70 | |
マニュアル発光 | 1/1 | 24 | 26 | 28 | 34 | 38 | 40 | 42 |
1/2 | 17 | 18 | 20 | 24 | 27 | 28 | 30 | |
1/4 | 12 | 13 | 14 | 17 | 19 | 20 | 21 | |
1/8 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
1/16 | 6 | 6 | 7 | 8 | 10 | 10 | 11 | |
1/32 | 4 | 5 | 5 | 6 | 7 | 7 | 7 | |
1/64 | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 | 5 |
以下は、すべてこの表を基準にして書いていく。
F値と撮影距離からGNを決める
例えば、F4の30mm単焦点レンズで1mの距離から撮影する場合、GNはどうなるのだろうか?
先述した計算式に当てはめてみよう。
ガイドナンバー(GN)=1(m)×4(F値)
導き出されたGNは4だ。
GNの表で、適切な場所を確認してみると…
ズーム位置(mm) | 35mm換算 | 24 | 28 | 35 | 50 | 70 | 85 | 105 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
APS-C換算 | 16 | 19 | 24 | 34 | 48 | 58 | 70 | |
マニュアル発光 | 1/1 | 24 | 26 | 28 | 34 | 38 | 40 | 42 |
1/2 | 17 | 18 | 20 | 24 | 27 | 28 | 30 | |
1/4 | 12 | 13 | 14 | 17 | 19 | 20 | 21 | |
1/8 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
1/16 | 6 | 6 | 7 | 8 | 10 | 10 | 11 | |
1/32 | 4 | 5 | 5 | 6 | 7 | 7 | 7 | |
1/64 | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 | 5 |
GN4にあたる設定は、1/64であることが分かる。
注意したいのは、このままの設定でバウンスすると約75cm(25%減)程度までしか光が届かないという事。
バウンス撮影する場合は、距離が短くなることを覚えておこう。
ISO100には限界がある
表を見ていくと、ある状況にぶつかる。
30mmのレンズをAPS-Cで使用し、F4で撮影する場合、最も強く発光するGN34でも約8.5m先までしか光が届かない。
フラッシュの発光距離(m)=34÷4
F10で撮影するとすれば、3.4m先までしか届かない事になる。
もっと遠くまで光を届けたい。
その場合に必要になるのが、ISO感度とGNの相関関係だ。
ISO値とGNの相関係数
GNとISO感度には相関関係があり、以下の表の数値を当てはめて計算することができる。
ISO感度を高めると、GNの撮影距離が係数倍になると覚えよう。
ISO | 100 | 200 | 400 | 800 | 1600 | 3200 |
---|---|---|---|---|---|---|
係数 | 1 | 1.4 | 2 | 2.8 | 4 | 5.6 |
先述したF4でGN34の場合、ISO感度を100から400に上げると、係数は2。
つまり約17mまで光が届く(2倍先の距離の光を取り込めるようになる)という事になる。
試し撮りしてみた
試しに、表にならって撮影してみた写真が以下の3枚。
それぞれトリミングを行っているが、それ以外の手は加えていない。
左の写真は、F4、ISO400で約1mの距離からフラッシュを使用せずに撮影したもの。
右は、同じ条件でGN4のフラッシュをバウンスして使ったもの。
この写真は、同じ条件でGN8のフラッシュをバウンスして使ったもの。光が強すぎて白飛びしてしまっているのが分かる。
当然の事だが、選択するGNが適正よりも低いと暗くなり、高いと明るくなる。
下手すると暗すぎたり白く飛んでしまって使い物にならなくなることもあるので、明るければ良いというものではない。
EOS 7Dの内臓ストロボではどうなのか?
7Dのマニュアルから、内臓ストロボの光が届く距離を抜き出してみた。
F値 | ISO感度 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
100 | 200 | 400 | 800 | 1600 | 3200 | 6400 | H:12000 | |
F3.5 | 3.5 | 5 | 7 | 9.5 | 14 | 19 | 27 | 39 |
F4 | 3 | 4 | 6 | 8.5 | 12 | 17 | 24 | 34 |
F5.6 | 2 | 3 | 4.5 | 6 | 8.5 | 12 | 17 | 24 |
この表に記されているのは距離(m)なので、GNに直して見ると、GN12程度であることが分かる。
前提条件として、マウントしているレンズがEF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USMレンズという事になっているので注意。
GN12程度ならF4であれば3m程度までは届くということになるし、ISOを400まで上げておけば6m先まで届く計算になるので、内部ストロボも便利。
ただし内部ストロボは正面に光が当たるので注意が必要。
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